第7話『ハルカカナタ』感想
さて、アニメ虹ヶ咲も一挙振り返り放送を終え、1クール後半となる7話ですね。
というわけで今回は第7話『ハルカカナタ』の感想になります。
『近江彼方』について
「彼方ちゃんはいつも全力です――」
7話もソロ曲の一節を引用したモノローグから始まりました。
こちらは彼方の1stソロ曲『眠れる森に行きたいな』からですが、「寝るのが好き」「いつも寝てばかり」なキャラ特徴とは正反対の「全力」という要素を引っ張ってきました。
そう、この近江彼方というすやすやお姉さん、実はとんでもなく努力家で全力で生きている人でした。
シリーズにおいて父親の存在が都合よく登場しない設定については今更言及しませんが、ともかく彼方は忙しい母親に代わって家事全般を行い、家計を助けるために週5バイト(高校生だぞ?)、奨学金制度の利用できる虹ヶ咲への進学、放課後や休日はスクールアイドル同好会という、めっっちゃエネルギッシュな人でした。
初期の頃からのキャラクター性であった「睡眠」という要素は、これらの反動で昼間学校でよく寝ていることからだったんですね。
それもこれも、愛しの妹・遥と自分の居場所である同好会のため。
これはどちらも、彼方にとっては全て「自分のため」で、自分の好きなこと、やりがいのあることに注力しているわけなので、大変だとも感じていなかったのでしょう。
そしておそらく、同好会のメンバーは彼方の実生活は知らなかったでしょう。
しかし同じ環境の妹、遥にとっては堪ったものではありません。
夜遅くに自分が寝た後も勉強、朝は自分より早く起きて朝食を作る。
遥にとって「当たり前」に感じていた日常に、同好会の再起によってスクールアイドル同好会への活動が一層盛んになり、心配になったのでしょう。
そして同好会へと乗り込み、遥の知る家での彼方と、同好会の知る練習中の彼方(めっちゃ頑張るけどめっちゃ寝てる)のすり合わせが行われ、遥のあの決意に至ったのでしょう。
前提として、近江姉妹は互いのことを想い合っている美しい関係だと思います。
しかし彼方の「姉として」の過保護が過ぎるあまり、同じく姉想いの遥としてはその境遇で自分だけがスクールアイドルとして活躍しているのはいい気分ではないでしょう。
お互いに想い合っているからこそのすれ違いですよね。
まあ強いて言えば、侑に指摘されていた通り、彼方の過保護が一番の原因かなとは思います。
そんなシリアスパートも伸ばさず後味も悪くならずさくっと解決しましたね。素晴らしい。
あの短い間でもインパクトがあったのは、遥がスクールアイドルをやめる宣言を聞いた彼方のリアクションですね。
彼方は本当に嘘偽りなく「全力」で家事もバイトもスクールアイドルもやってきたし、それが「普通」で「当たり前」だということに微塵もおかしいと思っていなかった。
だからこそ、遥の反応が理解できなかったのでしょう。
「自分が寝てしまったから心配させたのかな?」と的はずれな推察を披露します。
遥が怒っていたのは、「無意識に寝てしまうほど姉の負担が大きいこと」と、「それに支えられるばかりだった自分」にだと思います。
夢へ羽ばたく比翼の蝶々
遥の突然の宣言に失意の彼方。
けれど今は悩みを分かち合える頼もしい同好会のメンバーがいます。
「それは本当に、彼方ちゃんが望んでいることなの?」
出たーーー!!!ラブライブ!お決まりの覚醒を促す助言。
「自分の本当にやりたいこと」を抑え込む少女たちに差し伸べる手、背中を押す言葉。
今回もこの役はエマでした。というか果林の謎セクシー座りが気になりすぎてここ笑ってしまうよ。
どうしようもならないと感じる苦境も、冷静な第三者から見れば、案外シンプルな原因だったりしますよね。
第7話挿入歌、超絶オサレミュージック『Butterfly』
え?なんなのこの曲…ホントにラブライブ???
今までの彼方の曲と違いすぎていい意味で裏切られました。
彼方担当の楽曲は、そもそも動きが少なくスローで眠りを誘うような曲調でしたが、Butterflyはイントロからかっこよく踊ってます。というかアニメーションとしても彼方がめちゃめちゃ動いてて感激。
黒帯のシネマティックなMVに、彼方の衣装コンセプトとして盛り込まれている「お姫様」要素が抜群に合います。
これが「本来の近江彼方」なのかもしれませんね。
個人的には曲前の、ステージから遥にウインクするのが堪りません。
「有名校で注目のスクールアイドル」である妹に対し、同じ土俵で見せつけるお姉ちゃん力……かっこよすぎるんですけど…。
遥も彼方も、活力の源に互いを思いやる気持ちがあることは間違いないですし、そうしてそれぞれが違う学校のスクールアイドルとして、ライバルとして認め合うという締めくくりも完璧ですね。
MV中の、ワンカットで切り替わる姉妹の後ろ姿、あそこホントいいですよね。
まさに比翼の蝶。
「一人では飛べなくても」というよりは、「二人だから飛べる」。
それが互いに違うスクールアイドルであっても。
まとめ
今回の7話も、ネットの評判を見るまでもなく神回でしたね。
スクスタとして、何ならスクフェスから登場していた彼方の「寝るのが好き」という安易なキャラクター付けを、ここまで物語に展開できる手腕は、本当に見事としか言いようがないです。
一瞬しか映らないようなワンカットで、セリフにないキャラクターの心情や、過去のパートの些細な回収など、細かいところまで気を配り作品を作っているのが伺えます。
特に最後は近江母からのメッセージで家庭環境を邪推させず、美しい姉妹愛として完結させたのが本当にお見事。
さらに近江姉妹といえば、初出はスクフェスモブということで、今回はゲストとして他にも登場しましたね。
スクスタ初の虹ヶ咲ならではの演出かつ、古参歓喜の嬉しい登場でした。
ちなみに私はスクフェスを引退して長いので、話題のクリスティーナが修道服を着ていないため誰だかわかりませんでした。すみません。
さて、来週は同じくスクフェス組のしずく。
演劇部とその部長、かつてないシリアスパートになりそうな予感もプンプンですが、期待しかできないですね!
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会感想記事
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