ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメ放送が発表されたのは、まだ記憶に新しい昨年2019年の12月に行われた1stライブ。
当時(というか現在も)まだまだ現役だったいわゆる『2代目ラブライブ!』ことラブライブ!サンシャイン!!のAqours。
そして正統派後継としての『3代目』となるのはおそらくラブライブ!スーパースター!!でしょう。
そんな間に生まれた虹ヶ咲は、もともとラブライブ!シリーズを統合した新アプリ『スクスタ』のために作られたプロジェクトであり、
キャスト陣も「アニメ化の予定はない」と聞かされていたそうです。
そんなμ’sともAqoursとも違う道を歩んできた虹ヶ咲が、ついに自らの手で掴んだTVアニメ化。
ラブライブ!シリーズでお馴染みの監督や構成、キャラデザ担当も今までと違い、まだ誰も見たことがない、新たな環境でのオルタナティブなラブライブ!。
それでも多大な期待を背負って放送された第1話、見終わった時僕は確信しました。
「ああ、間違いなくラブライブ!だ」
4年前の2016年、μ’sのファイナルライブを経ての放送となったラブライブ!サンシャイン!!第1期。
まだ「ラブライブ!=μ’s」の価値観しかなかった私は、もしかしたら皆さんも、不安かつ懐疑的な気持ちで新たなラブライブ!の幕開けを見守りました。
私にとっての「ラブライブ!」とはすなわち「μ’s」であり、彼女たちが残したものの上に新たに積み上げられる新時代に、私は対応できるのだろうか。
そんな私の先入観は、新たなる9人の輝きによって粉々に打ち砕かれました。
「これはラブライブ!だ」と。
アニメーションとなって動くAqoursを見て、「ラブライブ!=μ’s」だった私の価値観は変わりました。
私の愛した「μ’s」にあったもの、私が感じていた熱い気持ちは間違いなくサンシャイン!!にもあって、私はこの時
「これがラブライブ!だったのか」と、初めてμ’sが残した本当のメッセージを思い知りました。
4年前初めてラブライブ!サンシャイン!!を見たときと同じ気持ちを、今回の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1話にも感じました。
というわけで前置きが長くなりましたが1話の感想書いていきます。
第1話『はじまりのトキメキ』感想
ラブライブ!のストーリーにおいて、媒体ごとの不一致は語るまでもないですが、TVアニメ版は公式でもアナウンスされている通り、『スクスタ』とは違うストーリーを紡ぐようです。
絶対負けない(でほしい)幼馴染
物語は歩夢と侑(以後ゆうぽむ)の日常と化したブラブラデートから始まります。
さらには翌日の投稿前のシーン。
同じマンションの隣同士に住む2人は、アラームではなく歩夢のモーニングコールで目を覚まし!
「起きた(からベランダに出るよ)」の合図で電話を返し!
LINEではなくそして学校前の待ち合わせでもなくベランダで「おはよう」を交わす!!
これがあまりにも慣れ親しんだ日常として描かれています。
このナチュラルさがたまらないですね。
あと侑ちゃんソファベッドじゃなくてちゃんとマットレス買ったほうがいいよ……。
他メンバーについて
まだ1話ということもあって歩夢以外のメンバーについてはほとんど触れられていませんが、気になったことをいくつか。
優木せつ菜楠木ともりシンクロしすぎ問題
これは先日無観客有料配信となった2ndライブの印象が記憶に新しすぎるせいかもしれませんが。
せつ菜が野外ステージで何のMCもなく歌い逃げする『CHASE!』ですが、あまりにもライブでの楠木ともりさんと重なって見えました。
もちろん、先にスクスタ用の3DMVが先にあって、それをキャストがトレースしているので、同じ振り同じ動きをするのは当たり前なのですが、
スクスタMVよりもなめらかかつ、息をするときの肩の動きなど、より「っぽい」アニメーションに生のキャストが重なって見えました。
一瞬「これともりるのモーションキャプチャしてる?」とさえ思いましたね。本当に凄いです。
オリジナルメンバーの意外性
Aqours同様、「一度はあったものの解散してしまった」という同好会。
そのオリジナルメンバーはせつ菜の他に、かすみ・しずく・エマ・彼方というちょっと意外なメンバー。
まあこの辺はスクスタ既プレイの方は覚えるのあるあらすじかなとは思います。
りなりー無表情かわいい
アニメでは自分の似顔絵を描いたスケッチブックを持ち歩いてボード越しに会話するヤバい子じゃなくてよかった……。
表情が上手く作れないタイプのコミュ障なんですね。
いや先輩の裾を引っ張って弁明するのはコミュ障じゃねえよ?
しかしのっぺりした無表情顔なのに素が美少女すぎていいですね。にへらぁ…っと笑って欲しいですね、いつか。
「高咲侑」というジョーカー
1話のストーリー展開は正直まだ「スクスタ」で見覚えあるなーという感じだったんですが、
それでも圧倒的に存在感。あえていいますが「異物感」を放っていたキーキャラクターがいます。
そう、「あなた」こと「高咲侑」。
スクスタストーリーを忘れて久しい私は、初見で「あ、侑このポジションなんだ」と思いました。
主人公であり観測者でありジョーカーでもある高咲侑。
彼女の存在の在り方こそが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を、他のラブライブ!シリーズとは全く異なる世界へ導くカギであると私は確信しています。
「生まれたトキメキ。あの日から世界は変わり始めたんだ―」
侑のこのセリフから1話は始まります。
開始早々「トキメキ」という、虹ヶ咲が掲げるテーマである単語をやたら口にする侑。
「キセキ」や「かがやき」を渇望していたサンシャイン!!の千歌を彷彿とさせますよね。
そう、ラブライブ!シリーズというのは「みんながセンター」というμ’sにおける穂乃果が、Aqoursにおける千歌が絶対的なワントップではないと主張されてきました。
が、ことアニメにおいては私はそうは思いません。
今までのラブライブ!のアニメは、やはりどうしようもなく、穂乃果と千歌が絶対的に主人公であったと思います。
当然、そうでないとストーリーを進展させていくキャラがいないからですね。
同じように、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にも「トキメキ」を求めてみんなを引っ張りストーリーを展開させていく「主人公」が必要なんです。
そしてそれは、本来センターポジションにキャスティングされている歩夢ではなく、侑の方なんですよね。
「上原歩夢」について
今回の1話は歩夢回だったということで歩夢についても書いていきます。
先ほど主人公は歩夢ではなく侑だと言いましたが、では歩夢はただの幼馴染ヒロインなのか?
否、歩夢もまた、侑と二人三脚でストーリーを引っ張る主人公であると思います。
さらに言えば、歩夢だけでなく全てのメンバーがそれぞれ侑と共に主人公になり得ると予想しています。
なぜなら、「スクールアイドルをやろう」と言い出すのは侑ではなく、歩夢からだからです。
多感な時期でしょうから、周りの目を気にして自分の「好き」に蓋をしていた歩夢。
「何かを始めたい」「トキメキが欲しい」と悩んでいた侑と同じく、自らも「変わりたい」と本当は思っていた歩夢。
そこに「スクールアイドル」というきっかけと出会い、初めの一歩を踏み出します。
Dream with You
もう何も言いません。お前が一番可愛いよ歩夢……。
あと、歩夢の世界観にやたら不思議に国のアリスのイメージが散りばめられていると思います。
ファンシーでメルヘンな衣装から歩夢=アリスのようなイメージを持ってしまいがちですが、大胆な告白シーンで歩夢が侑の手を取ったように、
「あゆぴょん」の件があるように、歩夢は案外ウサギの方かもしれません。
とはいえ侑にとっての歩夢もどちらとも取れそうですし、二人とも不思議の国へ踏み入ることには変わりないので、ここは正直どっちでもいいです。
まとめ
とにかく大満足な1話でした。
スクスタストーリーではすぐμ’sやAqoursが出てくるので、はやいとこアニメオリジナルの展開にシフトして欲しいですね。
各キャラどんなスポットライトが当てられるのか楽しみです。
ちなみに僕が一番楽しみに、というか気にしているのは
「高咲侑はスクールアイドルになるのか?」というポイントです。
おそらくはじめはマネージャーとしてのサポート位置に収まるでしょうが、最終的には1曲ぐらい侑も歌っちゃう、
大胆なアニメストーリー期待しています。
また久しぶりにラブライブ!にワクワクできる日々に感謝です。