大きな結末・分岐をを迎えた第9話。
その後が描かれる今回の第10話『過ぎ去る日』の感想です。
世界の終わり、その後
本当に覆されることなく、「世界の終わり」は訪れました。
当初から予想していた「人類にとっての世界」の終わりではなく、終わるのはあくまで神となった佐藤ひなの世界だけでしたが。
それでも、先週の9話の時点では、ひなの世界が終わることを回避する方向になると思っていましたが、それも過ぎ去ってしまいました。
当然のように迎える9月の中、陽太に接触する央人。
ひなと過ごした日を辿らせるという回りくどいやり方でしたが、CEOの指示だったらしいです。
そう考えれば、ひなから例の量子コンピューターを取り出すことは不可避でも、その後の対応として陽太に譲歩しているのは憎めないですね。
前回の記事でも書きましたが、フェンリルは別に黒幕の悪徳企業ってわけじゃないんですよね。
まあ何故か興梠博士の研究を追っているという立場でしたけど、それも興梠修一郎という天才すぎる危険性をお国の上層部に知られていたのかもしれません。
ともかく、央人の言うタイムオーバー直前、陽太は央人こそがひなの言う「神殺しを使った少年」という事実に辿り着きます。
なんと連れ去られて数ヶ月が経った現在でも、佐藤ひなは生きていました。
央人のコネを経て、現在のひなに会えることになります。
「神」ではなくなった少女
日本の端っこにある施設、陽太は「天国か地獄のよう」だと表現し、央人も否定はしませんでした。
今回見た感じでは普通の療養所に見えましたが、立地や術後のひなを受け入れていることを考えると、お国の息がかかった施設なのかもしれません。
央人の偽造パスがあるとはいえ、ひなへの接触やあまつさえ連れて帰ることも承諾されるとは。
まあ、脳のコンピューターを取り除いた今のひなには、特に世界を揺るがす要因もないわけですし…。
それを言うなら、多分ひなを連行した時点で関係者を全員口封じしているでしょうから、まあその辺の事情はスルーしましょう。
ともかく、「神」ではなくなった現在のひなは、あらゆるショックか『ロゴス症候群』なる難病の再発なのか、苦しそうに横たわるだけの少女と化していました。
ろくなコミュニケーションが取れず、おそらく嫌がる、とか暴れる、みたいな反応しかできないんだと思います。
ひなの現状と環境を知って、揺れる陽太。
かつての佐藤歳徳氏の葛藤を思い知ります。
ひなを連れ戻して一緒に居たいというエゴ。ひなのことを思えば、今の環境に自分が必要ないという事実。
ひなが自分との記憶をなくしていることを聞かされても、会いたいと即答していた陽太ですが、この現状に打ちのめされてしまいます。
さて、ここからどう転ぶかですよね。
記憶と超常を失ったひなは、かつて陽太と夏を過ごした佐藤ひなと、同一人物とは言えないかもしれません。
それは人の本質とは外見や性格ではなく、結びついた記憶だから…みたいな話に通ずるかもしれませんが、ともかく、自分だけが一方的に相手を知っているというのは辛いものですよね。
ベタな予想ですが、今のひなの中に陽太と過ごした記憶があり、その欠片を見出す…みたいな展開でしょうか。
ひなの生まれつき不全な脳を補完していた、超スーパーコンピューターは取り除かれてしまいましたが、では記憶はどうなったのでしょうか。
私は脳科学について全然詳しいわけでもないのでよくわかりませんが、記憶といえば脳の海馬に補完されるはずです。
普通に考えれば記憶も代替のコンピューターに保存されていそうな気もしますが、ロゴス症候群は神経系の症状らしいので、記憶に関しては繋がりが薄い気もします。
まあ全体的に脳の代替をしていたのでしょうが、ひな本来の脳の海馬にも、その残滓が残っている可能性はあり得ると思います。
もしくは、そんなものなくても、いやないとわかっていて陽太がどういった行動をするかこそが、この物語の見せ場かもしれません。
それが「心を通わせる」ということでしょう。
とはいえ、ひなに記憶が残っていようがいまいが、ロゴス症候群を治したコンピューターを失ったひなは、やはり立つことも話すこともままならないはずです。
難病少女といえばKeyの代名詞みたいなところがありますが、もしかしたらそれが治ることはないまま、それでも一緒に~~というエンドなのかもしれません。
まとめ
というか央人くんが楽しそうでよかったですね。
今の所彼が一番救われている気がするのですが。
しかし、どうせならあのスーパーハッキングの見せ場が欲しかったですが、やったのが陽太の連絡先を入手したことぐらい……。
(施設侵入の偽装もしていますが)
次回が11話ということで、いよいよ佳境です。
来週は「遊戯の日」ということで、心神喪失のひなと過ごす回になりそうですね。
次回も楽しみです。
神様になった日感想記事
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