さあついにやって参りました。
第13話、大団円の最終回。
この素晴らしいアニメ作品を振り返っていきましょう。
全てのしがらみを超えて
「みんなの夢が叶う場所」
このコンセプトを打ち出して進み始めた「スクールアイドルフェスティバル」。
すべてのしがらみを解き、この1つの夢がようやく実現となりました。
集大成となるソロメドレーもめちゃめちゃよかったですね。
これまでの物語で構築された各カップリングとの関係性も見えて最高でした。しずかすご馳走様。
ちなみにせつ菜の青メッシュってなんだったんでしょう。
CHASE!からの赤イメージに再起を促したDIVE!のカラーを取り入れてる、みたいな感じなんでしょうか。
ともかく、侑が発案したこの、個性の違うスクールアイドルがそれぞれの魅力を発揮し、スクールアイドル好きのファンのためのお祭り、まさにWinWinな「みんなの夢を叶える場所」は無事に成功しました。
ラブライブ!における「雨」
かのようにみえたイベントも、まさかのにわか雨で中止をやむなくされます。
やはり「ラブライブ!」のシリーズに雨はつきもので、それは夢を追う少女たちに立ちふさがる、ときに理不尽で限りなく現実的な障壁として示されます。
これまでの12話で、輝きたいと願ったそれぞれのスクールアイドルと同じく、このイベントは彼女たちを傍で見てきた高咲侑の夢、挑戦だったんですよね。
なにかに熱くなれる、漠然とした「トキメキ」を探していた侑は、優木せつ菜に出会い、スクールアイドルに触れてそのトキメキを具体化していきました。
それが彼女に新たな夢を与え、挑戦する勇気や自信みたいなものが欲しくて、がむしゃらにこのSIFの運営やサポートに徹しました。
挑戦者を応援する、夢を見ていい。夢に向かって頑張っていい。
私はラブライブ!というシリーズが放つこういったメッセージ性が本当に素敵だと思っています。
けれど挑戦には必ず障壁が立ちはだかります。
夢を追う人への、非情で理不尽で、とても現実的な障壁です。
順風満帆に見えたイベントの進行も、予報にない突然の雨で中断させられました。
控えていた目玉のステージは中止となり、自分たちが使える時間は過ぎてしまった。
現実ってこんなもんですよね。
だけど、それまで必死にあがき続けてきた経験や、それを見ていた人たちの思いは決して消えません。
副会長が学校側に無理を通してくれたのも、参加しているこのイベントが、そしてスクールアイドルとそのファンによる交流がいかに素晴らしいかを知っているからです。
そしてそれは、まさに侑がイベント実現の為に邁進した結果。それが人を動かし、心を動かすのです。
どんなに素晴らしい夢やチャレンジにも、どうしようもない障壁が立ちはだかる。
だけど、真摯に夢を追う人や頑張る人に差向けられる、救いの手だって確かに存在するのです。
「あなた」のための歌
高咲侑によって救われ、繋がれ、1つの夢を叶えたその筆頭は、言うまでもなく虹ヶ咲学園スクーアイドル同好会のメンバーたちです。
彼女たちもまた、悩み傷つき立ち止まり、挫折しながら自身のソロとしてのステージを実現させてきました。
そしてその夢を叶えるために手を差し出してくれた人を、なによりも想っているのです。
だから今度は私達が歌う番。
私たちを応援してくれたあなた(作中世界のファン)に、
ずっと傍で支え続けてくれたあなた(高咲侑)に、
そしてきっと、モブだったキャラクターたちに声が付きアニメに出るまで長い時間遊んでくれていたあなた(スクフェスプレイヤー)に、
アニメ化なんて予定されていなかったこの虹ヶ咲プロジェクトをこれまで応援し、見守り続けてきたあなた(これを見ている現実世界のあなた)に。
夢を歌い輝くのがスクールアイドルだから。
私自身スクフェスを引退して久しく、東雲や藤黃のキャラたちの名前なんてほとんど覚えていませんでした。
それでも、白衣の神谷理華や設楽ふみのカメレオン、竹刀を持っている門田剣を見てこみ上げてくるものがありました。
高咲侑をはじめ、彼女たちに携わったすべての人への感謝と、今度はその人たちを応援する歌。
やりたいことも個性もバラバラだけど、その思いだけは同じだから。
このアニメにおいて9人で歌う初めての曲がこの曲で本当に良かった。泣きました。
日の沈んだ空にだって架かる9色の虹。
そう考えれば、虹を咲かせる彼女たちにとって、雨という試練は必然だったのかもしれません。
そして、その虹を超えた先の奇跡すらも。
まとめ
虹ヶ咲プロジェクトは、いうなればスクフェスシリーズの派生的なコンテンツです。
(正確に言えばスクスタの、でしょうが、そのスクスタも元はスクフェスの派生なので)
そういった、実は長い歴史をルーツにもつこの作品の、あらゆる設定とそれを演じるキャストさんたちの情報を余さず注ぎ込んで作られた、本当に素晴らしいアニメでした。
制作陣のとてつもないコンテンツ、キャラクターへの愛情が毎週ひしひしと伝わっていました。
Blue-ray1巻の広告で話題になっていましたが、あからさまな「続き」へのフックを残しているので、これはあるでしょうね……第2シーズン!!
わかりやすいのは、第2回のSIFと、イベント当日に準備していた例のノートですよね。
あれは十中八九侑へ贈るものなのでしょうが、なんだったのかよくわかりませんね。
ありがとうのメッセージや転科試験への激励の寄せ書きとかであれば、引っ張らずに普通に最後見せても良かった気もします。
これまでの集大成として、侑へ贈った気持ちのアンサーはあの曲だったと思うので、引っ張りすぎてもなあ…?とも思いますし。
かなりメタな邪推をすると、(制作スケジュールはわかりませんが)放送中に第2期の決定が決まり、最終話のそのパートだけ差し替えて、「続き」へのフックとして残しておいたって感じなんですかね。
まあどちらにせよ、虹ヶ咲のアニメも無事に2期制作までいきそうなんでめでたしです。
こんな素晴らしいアニメがこれだけで終わっていい筈がありません。
丁寧なキャラクターの深堀に加え、絶妙な塩梅の転換とストーリー構成。
その中に、ラブライブ!が持つ「夢」や「挑戦」、漠然とした、だけど強烈に”熱い”「輝き」や「トキメキ」の、そういった青いメッセージ性みたいなものが確かに見えました。
このアニメが始まったとき、第1話の感想記事で、
「これは今までとは全く違った異色のラブライブ!だ」
というようなことを書いていたのですが、それは間違っていたとは思いません。
だけどシリーズに脈々と受け継がれてきた芯なるコンセプトは、紛れもなく私が愛したラブライブ!のものでした。
最終話を見終わった後、素晴らしい歌と演出に泣きながら、改めて第1話と同じ感想を抱きました。
ああ、間違いなくラブライブ!だ。
このシリーズを、そして虹ヶ咲を愛してきて本当によかった。
13回に渡って書いてきた感想記事、これまで読んでくださってありがとうございました。
よろしければ今後ともOTAKU HACKをよろしくお願いします。
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会感想記事
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